ある特攻隊員

さっきテレビである特攻隊員のことを放映していた。
あまりにも心に残る内容だったので日記に書いておこうと思う。

時は太平洋戦争末期。
智恵子さんという特攻隊員の婚約者の視点から描かれていた。
互いに惹かれあい、想い合いながらも、手を触れることすらできないまま、ある日突然、彼は特攻隊員として徴集されてしまう。
しばらくして婚約を結ぶも、今度はすぐに出撃命令がだされ、九州へと旅立ってしまう。
智恵子さんは少ない情報を得ながら、東京から汽車を乗り継ぎやっと鹿児島の飛行場までたどり着いた。
しかしたどり着いたほんの少し前に、既に婚約者は決して戻ることの許されない戦闘機で出撃してしまっていた。
一度も一夜をともにすることも、手を触れることもなく、智恵子さんにはただ遺書だけが残されていた。
23歳の若さだった。
「智恵子 会いたい、話したい、無性に・・」それが遺書の最後の言葉だった。
あまりにも残酷な運命である。
60年過ぎた今でも、智恵子さんは彼のことを想い、忘れることができないという。
今でも大切に保管している彼の吸ったたばこの吸殻だけが唯一彼の触れた形見だという。

今の時代であれば、どんなにか幸せに生きられただろう。
人が人を想うということはこれほどまでに重いものかと思わされる。
美しさ、純粋さと、悲惨さ、残酷さ。 複雑な思いが入り混じってしまう。
今日の日本は彼のような多くの犠牲の上に成り立っている。
この犠牲を決して無駄にしないよう、一日一日大切に生きていかなければ、そう強く思わされた。

2005/12/05

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