これからの50年

連休中は結局ほとんど仕事だった。
今日は神戸のお客さんのところへの出張の日。 今は新幹線の中である。
東京駅に着くと、幸運な出来事があった。
駅に着くなりいつになる警備が物々しいなと思っていたら、それもそのはず、
天皇陛下が新幹線に乗られるとのことだった。
そしてミーハーにも待つこと10分、生まれて初めて天皇陛下のお姿を間近で拝見することができた。
普段テレビで流されている通りのとても優しそうな方だった。
朝からちょっと感激であった。

新幹線を乗っているとめまぐるしく景色が変わる。
そこには豊かな自然があり、開発された都市部があり、また昔と変わらない原風景がある。
この変わりゆく景色を見つめながら、これからの日本の未来を考えていた。
戦後日本はそれまでの精神論を捨て、アメリカの合理主義、物質主義を取り入れ、奇跡的な経済復興を成し遂げた。
この新幹線はその象徴ともいえる乗り物である。
その日本が今再び大きく変わろうとしている。
変わろうとしているという表現はあまり正しくはなく、かつてあり、戦後失ったものを取り戻そうとしている。
これから日本が歩む道のりというのは、これまで歩んできた道のりとは大きく異なる。
それは成長でなく回帰、物質ではなく心、発見ではなく再認識なのである。
この先日本は、人口が減少し、国力・経済力も縮小傾向に陥るはずである。
まだまだ様々な問題もかかえている。
それでいても日本は世界で魅力的な国であり続けられると思うのである。
日本の持つ美意識。 これこそが国際社会における日本にとっても最大の武器になるものだと思う。
とても抽象的なものかもしれないが、全てに共通するものである。
犯罪を犯すことが美しいか、環境を壊すことが美しいか、未来に背を向けることが美しいか、歴史を汚すことが美しいか、己の損得のみで動くことが美しいか。
それらは全て理屈ではなく心、美意識の問題だと思うのである。
いつの時代でも日本の原動力はこの美意識であった。
長い間、今の日本に足りないものにも気づきながらも、日本の未来を描けないでいた。
しかし今は連続ドラマでもみているかのように日々、日本はドラスティックに変わってゆく。
経済成長の50年でもなく、失われた10年でもない、原点回帰の50年である。
物語はまだまだはじまったばかり。
できることなら、この物語に彩を与えられる人になりたい。

2007/05/07

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