今日はずっと雨だった。
まあ台風が近づいているからあたりまえといえばあたりまえなのだが。
雨の日はなぜか感傷的になってしまう。
昔の事をいろいろと思い出すのからかもしれないが、
なぜか非現実的な感覚に襲われてしまう。
そういえば通っていた高校を辞めたあの日も雨が降っていた。
あの日、雨の中通っていた高校にむかい、みんなの前で一言だけ
『これからは自らの考えで学び、求め、進んでいこうと思い退学を決意しました』
と挨拶し、短い間通った高校を後にした。
いきなりの事だったんでたぶん誰もが驚いていたと思う。
理解できなかったと思う。
自分の机に刻んだ一つの詩。
それだけが自分があの空間にいたという証となった。
高校には友達もたくさんいて毎日が楽しくて仕方がなかったのだが、
皮肉な事に真剣に生きてみたい、学んでみたいと思った時、
学校という存在はなんだか味気ないものに変わってしまった。
今思えば全てはあそこからはじまったのだ。
尾崎豊、やまだかまちの存在と出会い、生きる事、
考える事の大切さを知り、一人で生きる事を選んだあの瞬間。
得体の知れない不安に襲われながらも、何もかもが輝いて見えた。
自らの存在に限りない可能性を感じていた。
山形の澄み切った星空を見上げた時のあの純粋な気持ち。
本屋や図書館で様々な分野の本を読みあさっていた時のあの心躍る好奇心。
自らの価値観となり、生涯の財産となるかけがえのないたくさんの本と出会い。
『ショーシャンクの空に』をみて流したあの熱い涙。
友達に夜が明けるまで語りつづけたあの時の思い。
一人ではじめてアメリカへ渡った時のあの解放感、
希望と、その後の凍えながら感じたあの絶望感。
東京で毎日真夜中に自転車で新聞を配りながら思い描いていた夢。
様々な人と出会い、語り、時には行動を共にし受けた影響。
はじめて池袋にある今にも崩れそうなアパートを借りて得た、
自分の居場所があるいう安堵感。
日本の歴史の中でやっと巡り会う事のできた生涯の師、吉田松陰との出会い。
コンピュータにとてつもない可能性を感じ、それを仕事にできた時のあの喜び。
アメリカの大学で感じた人間関係のあの温かさと大切さ。
テキサスで毎日果てしない道を走り、ついに海を見た瞬間のあの達成感と爽快感。
アフリカでみたあの幻想的な光景と、人々の為に献身的な姿へのあの感動。
決して忘れえる事のない日々。
今なお覚めない夢をみているようである。
昔の写真を見るたびに確かにあの時と今が繋がっているいう実感が湧いてくる。
会社を設立して、信じた方向に成長させる事。
これ自体はあんまり自分自身にとっては大きな意味はないのかもしれない。
それでも結果というものを求めるなら、やってみせよう。
自分に欠けているものがたくさんあるとすれば、それも克服してみせよう。
その気持ち以上に、志を胸に精一杯生きてみよう。
いろいろな物事や人間関係につまづいたり、
傷ついたりしても何度でも立ち直ってみせよう。
生きるという事が決してながされるものにならないよう、
何十年か先に今を見たとき決して色あせて見えることの
ないようこれからも歩みつづけていきたい。
2004/10/21